遊於樹下世界/F130(部分) 2012

遊於樹下世界/F130(部分) 2012

アートの今・岡山 2018「Call&Response:呼応」展に出品の「遊於樹下世界」は、2012年の第44回日展に出品した作品で、岡山県天神山文化プラザでは初めての展示となります。
沙羅双樹に見守られる大きな仏足石は、奈良薬師寺大講堂の仏足石をイメージの参考として描いています。仏足石は古くは2世紀頃インドのアマラーヴァティーに造られたストゥーパの欄楯に、仏伝図として樹下の仏足跡が表現されています。
そして、そのストゥーパを囲繞する多くの女性像の中には吉祥の女神ヤクシー像も彫られていますが、ヤクシー像は樹木の備える生命と豊穣性のシンボルとして多くは樹木と共に表現されています。
正倉院に現存する奈良時代の「鳥毛立女屏風」もまた、唐美人を描きつつも実はシルクロードより伝わった樹木に纏わる世界を描いていると言えます。
樹下世界の表すインスピレーションは、そんなところから始まっています。