奈良 薬師寺東塔

奈良 薬師寺東塔

裳階と呼ばれる飾り屋根が特徴的な、奈良時代の創建当初から現存している薬師寺の東塔。
ひとひらの雲はありませんでしたが、仰ぎ見る東塔は5月の明るい青空に際立っていました。

この東塔と同じく薬師寺の国宝の建物は、回廊の東外側にある東院堂です。
煌びやかで青丹鮮やかな伽藍の中でも東院堂は落ち着いた佇まいで、内陣の奥に回り込むと古え人の気配さえ感じられます。
そして同じように煌びやかさはないものの、大講堂の本尊の背面側に安置されているのが国宝の仏足石。
拙作に時折登場する仏足石は、この薬師寺の仏足石がイメージの基になっています。
2世紀頃の古代インドからの仏足跡の系譜は、はるかな歳月を超えてこの大和の国の薬師寺に、今も大切に伝えられています。

奈良 薬師寺