加古川バイパス 1983

加古川バイパス 1983

院生1年の夏に神戸大学の山縣先生による集中講義がありました。中村雄二郎の「共通感覚論」をテキストにした講義でしたが、その授業にひどく感銘を受けた同じ研究室の友達が、その夏休みが終わる頃、神戸まで先生に会いに行こうと思いつきました。
写真は、新車を買ったばかりの後輩を仲間に引き込んで、車2台で加古川あたり(左の大きな工場は「バンドー化学」の加古川工場)のバイパスを走り抜けた時の風景です。
前を走る赤い車の運転は、当時「ヒロポン」の愛称で敬愛されていた同じ研究室の院生です。(翌年の県展で初めて立派な賞をいただいたのは「ヒロポン」嬢のおかげです。)

遠くまで真っすぐに延びる高速道の風景の、その広々とした限りなさに、理由もなくその時は随分と幸せな気持ちになりました。
やがて車は何度目かの分岐を通り越したあと、大きなカーブを描きながら吸い込まれるように神戸の街に降りて行きました。
もしも、今もあの頃のように走り続けているとしたら、未だ道なかばに違いありません。

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